[組合News:030] イラク攻撃中止を求める抗議文

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Date: Mon Mar 24 2003 - 14:56:38 JST


組合ニュース 2003.3. 24No.30 通号2855号 龍谷大学教職員組合書記局

龍谷大学教職員組合は、イラクにおける戦争について、アメリカ政府、イギリス
政府および日本政府に対し即時攻撃中止を求める抗議文を提出しました。以下に
文書を掲載いたします。


    米英によるイラク攻撃に抗議し、攻撃の即時中止を求める
    2003年3月22日
                                 龍谷大学教職員組合執行委員会

 3月20日、米英は国連安保理の決議もなしに、査察継続を求める国際世論を
無視して、イラクへの攻撃を開始した。これは、以下の理由で第二次大戦後に確
立された国際法と国際ルールに明白に反する行為であり、我々はこれを認めるこ
とはできない。
 
  第一に、国連憲章では、国際社会の安全保障のために武力行使などの制裁を決
定できるのは国連だけである。各加盟国は自国に対する侵略行為があったとき防
衛のための軍事行動を認めているが、その場合も国連の安保理に報告し、安保理
が国際的に安全保障のための行動を決定することになっている。これが国連憲章
が定める「集団的安全保障」の体制である。
 
 この憲章に照らして、現在のイラクへの攻撃を検討する必要がある。米英はイ
ラクから攻撃を受けたわけではなく、また、国連安保理はイラクへの武力攻撃を
認める決議を採択していない。このような決議が採択されていないことを承知し
ているがゆえに、米・英・スペインは安保理にイラクへの武力攻撃を認める「第
2決議案」を提出したのである。しかしながら、この決議案は安保理の9票の支
持も得ることができないことが予想され、また仏・露の拒否権行使が予想され、
米英による武力行使が国際社会から支持されていないことが歴然となることを恐
れた結果、撤回したのである。このように、安保理も認めない、また国際社会の
圧倒的多数が反対する戦争を、米英は国際法を無視して一方的に行っているので
ある。
 
 第二に、昨年12月に安保理が全員一致で可決した1441決議は、イラクに
おける国連安保理の禁止した兵器の廃棄を求め、査察を強化することを内容とす
るものであり、決して武力行使を認めたものではない。また、この間、イラク政
府の対応は査察と禁止兵器の廃棄に協力するように変化しており、戦争に訴えず
とも、査察強化による問題の平和的解決に向かって進行していたのである。だか
らこそ、国連の査察委員会は査察の継続を求める報告を提出していたのである。
 
 第三に、主権国家の関係で成り立っている国際関係においては、ある国にとっ
て別の国の体制が独裁国家で気に入らないことを理由に、ある国の政府を武力で
転覆させることは決して認められていない。このような武力行使を認めれば、米
国が「独裁国家」と決めつけた国家政府は、米国が一方的に武力で転覆できるこ
とになる。米国は「世界の裁判官」でも「世界の警察」、「世界の検事」でもな
い。米・英は国際社会と国連の重要な一国であるが、共に国連憲章と国際法を遵
守する義務がある。
 
 以上のように、米英のイラク攻撃は国際法と国連憲章に明白に反する行為であ
り、またイラク問題の平和的解決の取り組みを中断させ、国際社会を危機に追い
やる行為である。 平和、自由、正義を限りなく希求するわれわれ龍谷大学教職
員組合は、このような行為に断固として抗議するとともに、米英による軍事行動
の即時中止を求めるものである。



  米英によるイラク攻撃の即時中止と日本政府によるイラク攻撃支持の
  撤回を求める
    2003年3月22日
                                  龍谷大学教職員組合執行委員会

 3月20日、米英は国連安保理の決議もなしに、査察継続を求める国際世論を
無視して、イラクへの攻撃を開始した。これは、以下の理由で第二次大戦後に確
立された国際法と国際ルールに明白に反する行為であり、我々はこれを認めるこ
とはできない。
 
 第一に、国連憲章では、国際社会の安全保障のために武力行使などの制裁を決
定できるのは国連だけである。各加盟国は自国に対する侵略行為があったとき防
衛のための軍事行動を認めているが、その場合も国連の安保理に報告し、安保理
が国際的に安全保障のための行動を決定することになっている。これが国連憲章
が定める「集団的安全保障」の体制である。
 
 この憲章に照らして、現在のイラクへの攻撃を検討する必要がある。米英はイ
ラクから攻撃を受けたわけではなく、また、国連安保理はイラクへの武力攻撃を
認める決議を採択していない。このような決議が採択されていないことを承知し
ているがゆえに、米・英・スペインは安保理にイラクへの武力攻撃を認める「第
2決議案」を提出したのである。しかしながら、この決議案は安保理の9票の支
持も得ることができないことが予想され、また仏・露の拒否権行使が予想され、
米英による武力行使が国際社会から支持されていないことが歴然となることを恐
れた結果、撤回したのである。このように、安保理も認めない、また国際社会の
圧倒的多数が反対する戦争を、米英は国際法を無視して一方的に行っているので
ある。
 
 第二に、昨年12月に安保理が全員一致で可決した1441決議は、イラクに
おける国連安保理の禁止した兵器の廃棄を求め、査察を強化することを内容とす
るものであり、決して武力行使を認めたものではない。また、この間、イラク政
府の対応は査察と禁止兵器の廃棄に協力するように変化しており、戦争に訴えず
とも、査察強化による問題の平和的解決に向かって進行していたのである。だか
らこそ、国連の査察委員会は査察の継続を求める報告を提出していたのである。
 
 第三に、主権国家の関係で成り立っている国際関係においては、ある国にとっ
て別の国の体制が独裁国家で気に入らないことを理由に、ある国の政府を武力で
転覆させることは決して認められていない。このような武力行使を認めれば、米
国が「独裁国家」と決めつけた国家政府は、米国が一方的に武力で転覆できるこ
とになる。米国は「世界の裁判官」でも「世界の警察」、「世界の検事」でもな
い。米・英は国際社会と国連の重要な一国であるが、共に国連憲章と国際法を遵
守する義務がある。
 
 以上のように、米英のイラク攻撃は国際法と国連憲章に明白に反する行為であ
り、またイラク問題の平和的解決の取り組みを中断させ、国際社会を危機に追い
やる行為である。 このような正当性のないイラクへの武力攻撃を日本政府が支
持することは、国際平和の実現と国際紛争の武力によらない解決を重要原理とし
ている憲法を持つ日本にとって、まことに恥ずべき行為である。自由・平和・正
義を希求する龍谷大教職員組合は、日本政府がわれわれ国民の名における武力攻
撃支持の表明を拒否する。日本政府が直ちに米英の攻撃支持を撤回し、米英に攻
撃の即時中止を求め、平和的解決に取り組むことを要求する。

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