[組合News:057] ルミエール間宮問題 留学生生活 実態調査は科学根拠にならない

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Date: Mon Jun 23 2003 - 16:28:21 JST


組合ニュース 2003.6.23No.59通号2884号 龍谷大学教職員組合書記局

                    ルミエール間宮問題

          留学生生活実態調査は科学的根拠にならない


職員宿舎利用検討委員会がルミエール間宮を国際交流館、および留学生寮に用途
変更するという答申を出した。大学当局はこれを受けて昨秋に国際交流館に変更
する方針を決定した。その一つの根拠とされているのが国際文化学部での留学生
生活実態調査である。我々はこの調査の根拠になりうるかどうかを科学的に検討
した。

・まず、この調査の致命的な欠点は回収率が低すぎることである。配布枚数166枚
に対し回収枚数30枚(回収率:18%)ではとても信憑性のあるデータとは言えない
。これは調査結果の分析以前の問題である。さらに回答者の70%(21人)が1回生
で、2回生が1名で3回生が7名、4回生にいたってはゼロである。これでは結
果に偏りが出てしまい、客観的なデータと呼ぶにはほど遠い。特に今回の調査の
目的を考えると、滞在期間が長く日本での生活に慣れている2回生以上の回答が
少ないことは大きなマイナスである。

・「瀬田に留学生寮をつくるとしたら」との問いには約25%が「入居したい」と答
えているが、このアンケートでは肝心のルミエール間宮の場所やキャンパス・駅
への交通手段、住環境や各部屋の間取りなどへの言及が全くない。回答者は「瀬
田の学生寮」という情報しか与えられておらず、これではルミエール間宮への需
要があるかどうかの調査にはならない。事実、「入居したい」と答えた8名のう
ち、3名が低家賃を条件として挙げているが、「寮費はいくらがよいか」という
問いに3万円と答えたのは30人中でわずかに1人で、残りは全て2万円以下と答
えている。また、回答者の70%が現在の家賃は3万円以下と答えており、ルミエー
ル間宮の寮費3万円という設定は学生の要望からかけ離れていることが分かる。


Q. 瀬田に留学生寮をつくるとしたら      
入居したい    8名           
入居したくない 22名           
                       

Q.寮費はいくらがよいか
5千円		2名   2万円  12名
1万円   	8名   3万円   1名
1.5万円   	6名


・さらに、「入居したい」と答えた人の条件として「近いこと」という項目も挙
げられているが、ルミエール間宮の立地条件が「通学に便利」という言葉からほ
ど遠いことは周知の事実である。
 瀬田駅から徒歩で約20分。バスも通っていない立地条件では、とても「近い
」、「便利」とはいえない。

・また、「今の住居に満足してますか」という問いには約75%が満足していると答
えており、不満足だと答えた人も理由として「礼金や家賃が高い・生活施設を共
有する」などを挙げている。ルミエール間宮ではこれらの不満を解消することは
できない。さらに、「どんな部屋を望みますか」という問いには約85%が個室と答
えており、3人部屋の希望者はゼロである。これに関しても、ルミエール間宮で
は彼らの希望を満たすことはできない。

Q.どんな部屋を望みますか        
 個室    25名            
 2人部屋   5名            
 3人部屋   0名            

Q.現在の家賃は
1.5万円	    6名    4万円   4名
2万円     4名    5万円   3名
3万円    11名    6万円   2名


・また、回答者の90%が片道通学時間は60分以上と答えており、約75%が京都市内
に住んでいることからも、留学生が住居を選ぶ際の最優先事項は通学時間以外の
条件であることが分かる。そこでアルバイトの項を見てみると、回答者の約75%が
現在アルバイトをしている、またはアルバイトを探していると答えている。そし
て、60%がアルバイトで学費を工面していると答えており、アルバイト収入の使い
道として娯楽費を挙げたのはわずかに1人で、残りの全員が学費や生活費、通学
費と答えている。さらに、前述の「瀬田に留学生寮をつくるとしたら」との問い
に対して約75%が「入居したくない」と回答しているが、その理由として「不便・
バイトがない・バイトから遠い」などを挙げている。教務課の「留学生生活実態
調査のまとめ」でも述べられているように、多くの留学生はアルバイトをやめる
と生活できなくなるのである。言うまでもなく、アルバイトをするには瀬田より
も京都に住む方が便利である。実際、「瀬田以外なら、どこに留学生寮があれば
入居したいですか」という問いには、約85%が京都と答えている。したがって、そ
んな彼らが不便でアルバイトの求人も少ない瀬田に移ってくる可能性は低い。

・「留学生生活実態調査のまとめ」では「日本人学生の友人はそれほど多くない
」と書かれているが、アンケートで「いない」と答えたのは5人だけで、これは
全体の約15%に過ぎない。また、回答者の半分は10人以上の日本人学生の友人がい
ると答えている。教務課の価値観では、何人以上の友人がいれば「友人が多い」
ことになるのかは分からないが、回答者の7割がまだ日本に来て間もない1回生
だということを考慮すれば、留学生全体ではこの数字はもっと多くなるはずであ
る。

まとめ
このデータから分かることは、第一に瀬田に寮があっても入るのは25%にしか過ぎ
ないということである。第二に家賃が一人3万円以下でないと入居はほとんど見
込めない。2人部屋であれば1人1.5万ずつ、3人部屋であれば1人1万ずつとい
った風にするべきであろう。瀬田でアルバイトを探すのは困難で、留学生のほと
んどが京都に住んでいるということの意味は重い。

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